Translate

2015年7月2日木曜日

知財権を社会人経験のない大学生にどう分かってもらうのか

昨日と今日は、「工学倫理」(技術者倫理)の授業でした。今回は、知的財産権がテーマだったのですが、高校から進学してきた学部生にとっては縁遠い話題です。どうすれば、「知的財産権は大事かもなあ」と思ってもらえるかと検討し、今回は、自分たちで商品のアイデアを考え、それを理不尽に奪われるという疑似体験を含めた授業をしてみました。

まず、題材としたバランスボールの新商品企画をA4用紙一枚に、4-5名の班で検討し、提出してもらいます。それを1枚ずつ、スクリーンに映しながら紹介していきます。そして、自分たちの企画であればどれくらい利益を得られそうか、簡単に皮算用してもらった後に、次のように宣言してみました。

「皆さんが描いた新しいバランスボールの商品アイデアは、私が貰って、企業と協力して商品化します。儲かっても、みなさんには、報酬はあげません。」と。
 
上の宣言が理不尽だ!と思ったかどうか。理不尽だと思ったのであれば、それは、あなたが一生懸命考えて、ひねり出したアイデアについて、自分の権利を感じたということであり、それが知的財産ということだよ、と説明しました。

その後に、知的財産権の定義や日本の制度についての解説を加え、実際に意匠権や実用新案、特許権を行政に認めてもらうには、新規性や公然の事実でないこと、公序良俗に反しないこと、産業の発展に資することなど条件があることを話しました。
自分の知的財産権が大切であれば、他の人のそれを侵すことも許されないよね、と。それから、そういう悪いおじさん・おばさんにだまされたり、つけ込まれたりしないようにするためにも、知財権の知識は必要だねとも。

写真は、私が見本として示した企画案ですが、学生達のアイデアの方がよっぽど柔軟でした。


0 件のコメント:

コメントを投稿