大学のソフト・ハード面での充実に貢献しているのは、寄付金です。ビジネススクールには、1978年の卒業生(工学部)であるマークストロームさんが、約11億円の寄付をしているし、工学部にはバテレンさんという卒業生が、これまで最大の32億円の寄付をしている。それ以外にも、卒業生から寄付がよせられているようです。創設以来、通算で190億円ほどの寄付金を集めています。
ドラガスホール
140カ国からの留学生がまずはこちらでみっちり英語トレーニングを受けます。
ウェブセンターは、ODUの象徴的な建物
"IDEA FUSION"というコピーが掲げられている
ストローム・カレッジオブビジネスのブルームバーグ・ディーリング・ルーム
ストロームさんの寄付で作られた起業家スタジオ
どうして、卒業生が寄付をするのか。それはきっと、ここのキャンパスで得た経験が、充実したものだったからではないでしょうか。ただただ学生同士で馬鹿をやったという経験だけでなく、大学がプロデュースした物事に感動があり、充実したと思うからこそ寄付をするのではないでしょうか。
カレッジフットボールのホームゲームの日には、
地域のファンが集まってピクニックをして、
そのあとスタジアムになだれ込みます。
日本の国公立大学は、税金から配分される運営交付金が、毎年引き下げられています。大学は、教育経費の効率化を続けています。外部資金を獲得して、間接経費を大学にもたらすことが求められます。
経費の節約は、財務改善のひとつの方法に過ぎません。むしろ、事業を充実させて、収入を増やすことで、事業経費を毎年充実させていくことが必要なはずです。これは、財務会計の発想では出てこないものであり、むしろ管理会計的な発想に基づくものです。
そのためには、学生に対して、どれけ充実した体験を提供できるのか。何が身につき、成長を実感できたのか。師と呼べる人に出会えたのか。卒業式で泣けるくらい、充実できたのか。もう、大学なんて行かなくても知識を獲得する機会は、世界にいくらでもあります。その中で、ひとつの大学を存続させようとするのであれば、学生の得る体験のプロデュース力が問われるのだと思います。
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