ビーチ市にあります。このベーカリーは、非営利企業として1985年に設立され、その2年後から操業を開始しました。当初から、知的障がいをもつ成人の雇用機会を作り出すことを目的としています。
入店するとすぐに、甘い香りに包まれま す。ここでは、ケーキや菓子パン、クッキー、サンドイッチなどなど豊富なメニューに、思わず目をキョロキョロさせてしまします。
ケーキは、オーダーメイドとプレメイドの両方があります。アメリカのケーキは、様々な色に染めたホイップクリームでデコレーションすることが多く、子どもたちからも個性的な発注が届くようです。
このお店では、24名の社員がジョブコーチと一緒に、小売と製造のパートに分かれて働いています。勤務は、朝番と昼番に分かれていて、昼番が生地作りと焼き上げを担当し、朝番がデコレーションを行います。
知的障がいの方々の働く機会として、ベーカリーを選んだ理由として、理事は多様な種類と程度の仕事を揃えられることを挙げました。
製造は、生地を捏ね、焼き上げ、デコレーションすることが主な仕事になります。その他にも、皿洗いや設備と床掃除、箱の組み立て、ロゴ・ステッカーの貼り付け、用具の整理整頓、発注、在庫確認と製造計画など、多様な仕事があります。それらを社員が役割分担し、相互に協力をしながら行います。ひとつの仕事について、直ぐに責任を持てなくても、まずは手伝うという立場から取り組み始めることもできます。そのようにして、仕事をひとつずつマスターしていく機会を様々に用意できることが、ベーカリーのメリットなのだそうです。
ここでの、ジョブコーチの役割は、社員の仕事の習得程度と希望を踏まえて、作業配置の割り当てを行い、社員が一人で仕事を進められるように指導していくことです。4名の社員さんに対して1人のコーチが付き、作業をみまもります。
ホイップクリームを絞りだす目は真剣そのもので、とても声を掛けられる雰囲気ではありません。みんな本物のベーカリーになるために日々研鑽を積んでいます。
社員の皆さんの定着率は高く、家族の引っ越しや症状の都合以外で離職する例はこれまでにないとのこと。ベーカリーで働く意思と業務指示や段取りをこなせる能力、衛生管理の力があれば、雇用することになっているそうです。
業績については、支出は売上によって賄っており、創業当初の数年を除いて黒字を続けているそうです。その他にも設立の趣旨に賛同する寄付金が毎年寄せられ、追加的な設備改善に当てられることがあるとのことでした。
今回の訪問は、障がいのある方々の就業促進に関する実践事例調査の一環でした。事業目的の設定、就業環境のハード・ソフト両面の整備、人材の適正配置について、ノウハウの詰まった職場でした。
Sugar Plum Bakeryのビジネスモデルキャンバス
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