水曜午後3時から5時は、有給休暇を取ってコーヒーを淹れている。コーヒーを淹れているといっても、それは、参加しているNPOが家賃を集めるための「家賃コーヒー」という寄付活動である。コーヒーは、一杯300円である。そのうち、材料代が50円で、寄付は250円になる。ただただ250円を家賃支払いのために寄付して下さいと頼んでも、なかなか財布の紐は固いもの。それでも、コーヒーを一杯飲めるのであれば、支払ってやるかとなる。
コーヒーは、基本的にレギュラーコーヒーの豆を専門店から買ってきて、注文を受けてから、ハンドミルで擂り、一杯ずつハンドドリップしていく。器具や水にはたいしてこだわらないのだが、おいしい豆を仕入れて、分量を間違えず、ドリップした一杯に外れはない。
基本的にホットコーヒーではじめた活動なのだが、6月からは、さすがに暑くなってきたので、アイスコーヒーを提供している。一つは、水出し用のパック(南米系)、もう一つは、マンデリン(アジア・オセアニア)をハンドドリップしたものをビーカーごと氷で冷やしてサーブしている。どちらも遜色付けがたいが、僕自身は、芳醇に香り立つマンデリンがおすすめである。ミルクやガムシロがなくても、おいしく頂ける一杯が入る。
提供数は、だいたい営業日に12杯程度である。3,600円が売上で、材料費が50円掛かるので3,000円が寄付になる。月に4回の営業日で12,000円である。家賃が月2万円なので、半額を寄付で賄えることになる。しかし、足りていない。
淹れたコーヒーを飲んでもらって、おいしいと褒めてもらえるのは、コーヒー好きの冥利に尽きることである。コーヒーファンが身近に増えればいいし、好きなコーヒーの話ができたり、コーヒーを飲みながら色々な会話が弾むのは嬉しいことである。今日も、客員で滞在中の先生が飲みに来て下さって、そこに居合わせた学生と妖怪のこと(民俗学)を話して下さっていた。たばこでつながるコミュニティがあるが、コーヒーも負けていない。同じ釜の飯を食うとまで言わなくても、同じコーヒーを飲みながら、あーだこーだと話すきっかけが生まれる。
コーヒーを普及させるために働く僕は、コーヒー・サーバントである。珈琲の奴隷もまた、わるくない。明日もまたおいしい一杯が入りますように。
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