人間には、不確実な将来のことに対して、その意味を過小評価してしまう癖がある。それはそうだ。いつもらえるか分からない将来の分け前を待つよりも、いますぐに確実にもらえる分け前の方が、少なくてもいいということである。その分け前を約束してくれる船の底が抜けているとしても、大きな船はなかなか沈まないのだから、まあまだなんとかなる。今もらえる分け前をよこせとなるのが、普通の人の思考なのである。将来世代への責任、世代間倫理を考えよう。そんなきれいごとよりも、いま食べる飯をなんとかせいという。僕たちは、そんなことをいうやからは、近視眼的なものの見方しかできない、教養のない仕方のない人たちだと鼻で笑ったりする。
さて、いつまで笑っていられるのか、今回の選挙結果は、私たちこそ、そういう人たちだということを露呈させてしまったのだから。このどうしようもない私たちは、これからどこへいこうというのだろうか。
もちろん、選挙は勝負ごとである。自分の応援した政治家が勝った側なのか、負けた側なのかにかかわらず、政権与党を応援するべきだろう。もちろん、手放しにではない。批判的に、時には、生産的な意見を提示しながら、政権が示したことをどのように形作っていくのか、関心をもつ必要がある。
ところで、今回は、初めてのネット選挙解禁の場となった。LINEでは、各政党が情報を提供していた。そのLINEで、どのよう文面で情報が提供されているのかをみれば、各政党が、LINEユーザー世代の有権者をどのように見なしているのかがよくわかる。これによって、投票所へいった若者が増えたとか減ったとか。評価・判断は据え置くが、これが実態だということ。僕には、これでいいとは思えないのだけど。
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