梅雨らしくなってきた。この辺りでは、まとまった雨ではないが、一日中ぐずついた空が続いている。庭に植えてあるプチトマトの背丈が十分に伸びて、実がつき始めている。トマトは元々乾いた地域の植物なので、水を取りすぎると実が水分で破裂してしまう。一昨年にそれをみて、やはり、過剰な水やりはするまいと決めた。きっと、水をギリギリまで少なくすれば、トマトらしい風味に仕上がるのだろうけど、枯れるのが怖くて、その加減を掴めないままである。
水も栄養も、与え過ぎるのはよくない。人の育成も同じで、情報を与え過ぎると人は自分で情報を求めなくなる。判断も然りである。周りの人が、なんでも感でも自分の代わりに判断してくれる環境で育ては、そのうち、判断を他人に任せる人になってしまう。それはなかなか深刻なことで、二十歳を過ぎて、他人に人生の針路を聞いてしまうような人に接することがあれば、なかなかの問題の根深さを推察して、呆然となってしまう。
僕自身が、なんでもかんでも、親には事後説明で過ごしてきてしまったので、他人に人生を委ねてしまう人の気持ちの根本的なところを分かってあげられない。それは、僕の弱みなのかもしれない。うまく処方箋が書けないからだ。そういう時は、それが得意な人に、喜んで応対を任せることにしている。自分が巧くできないことを理解しているからこそ、無責任な対応はしたくないのである。
梅雨である。寒さと乾燥の冬には、あれほど恋しかった潤いのシーズンが、まとわりつく湿気をもたらす深いなものにしか思えない。摂氏28度を超えないと冷房が機能しない職場では、例え湿度が80パーセントでも、摂氏27度では除湿さえなされない。このしゃくし定規に規定を守っているという建前主義とは、いったいなんなのだろうか。まあ、それもよい。僕の忍耐力を鍛える機会と思えば。
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2017年6月29日木曜日
2017年6月28日水曜日
家賃コーヒー
水曜午後3時から5時は、有給休暇を取ってコーヒーを淹れている。コーヒーを淹れているといっても、それは、参加しているNPOが家賃を集めるための「家賃コーヒー」という寄付活動である。コーヒーは、一杯300円である。そのうち、材料代が50円で、寄付は250円になる。ただただ250円を家賃支払いのために寄付して下さいと頼んでも、なかなか財布の紐は固いもの。それでも、コーヒーを一杯飲めるのであれば、支払ってやるかとなる。
コーヒーは、基本的にレギュラーコーヒーの豆を専門店から買ってきて、注文を受けてから、ハンドミルで擂り、一杯ずつハンドドリップしていく。器具や水にはたいしてこだわらないのだが、おいしい豆を仕入れて、分量を間違えず、ドリップした一杯に外れはない。
基本的にホットコーヒーではじめた活動なのだが、6月からは、さすがに暑くなってきたので、アイスコーヒーを提供している。一つは、水出し用のパック(南米系)、もう一つは、マンデリン(アジア・オセアニア)をハンドドリップしたものをビーカーごと氷で冷やしてサーブしている。どちらも遜色付けがたいが、僕自身は、芳醇に香り立つマンデリンがおすすめである。ミルクやガムシロがなくても、おいしく頂ける一杯が入る。
提供数は、だいたい営業日に12杯程度である。3,600円が売上で、材料費が50円掛かるので3,000円が寄付になる。月に4回の営業日で12,000円である。家賃が月2万円なので、半額を寄付で賄えることになる。しかし、足りていない。
淹れたコーヒーを飲んでもらって、おいしいと褒めてもらえるのは、コーヒー好きの冥利に尽きることである。コーヒーファンが身近に増えればいいし、好きなコーヒーの話ができたり、コーヒーを飲みながら色々な会話が弾むのは嬉しいことである。今日も、客員で滞在中の先生が飲みに来て下さって、そこに居合わせた学生と妖怪のこと(民俗学)を話して下さっていた。たばこでつながるコミュニティがあるが、コーヒーも負けていない。同じ釜の飯を食うとまで言わなくても、同じコーヒーを飲みながら、あーだこーだと話すきっかけが生まれる。
コーヒーを普及させるために働く僕は、コーヒー・サーバントである。珈琲の奴隷もまた、わるくない。明日もまたおいしい一杯が入りますように。
コーヒーは、基本的にレギュラーコーヒーの豆を専門店から買ってきて、注文を受けてから、ハンドミルで擂り、一杯ずつハンドドリップしていく。器具や水にはたいしてこだわらないのだが、おいしい豆を仕入れて、分量を間違えず、ドリップした一杯に外れはない。
基本的にホットコーヒーではじめた活動なのだが、6月からは、さすがに暑くなってきたので、アイスコーヒーを提供している。一つは、水出し用のパック(南米系)、もう一つは、マンデリン(アジア・オセアニア)をハンドドリップしたものをビーカーごと氷で冷やしてサーブしている。どちらも遜色付けがたいが、僕自身は、芳醇に香り立つマンデリンがおすすめである。ミルクやガムシロがなくても、おいしく頂ける一杯が入る。
提供数は、だいたい営業日に12杯程度である。3,600円が売上で、材料費が50円掛かるので3,000円が寄付になる。月に4回の営業日で12,000円である。家賃が月2万円なので、半額を寄付で賄えることになる。しかし、足りていない。
淹れたコーヒーを飲んでもらって、おいしいと褒めてもらえるのは、コーヒー好きの冥利に尽きることである。コーヒーファンが身近に増えればいいし、好きなコーヒーの話ができたり、コーヒーを飲みながら色々な会話が弾むのは嬉しいことである。今日も、客員で滞在中の先生が飲みに来て下さって、そこに居合わせた学生と妖怪のこと(民俗学)を話して下さっていた。たばこでつながるコミュニティがあるが、コーヒーも負けていない。同じ釜の飯を食うとまで言わなくても、同じコーヒーを飲みながら、あーだこーだと話すきっかけが生まれる。
コーヒーを普及させるために働く僕は、コーヒー・サーバントである。珈琲の奴隷もまた、わるくない。明日もまたおいしい一杯が入りますように。
2017年6月27日火曜日
引っ越しの代わりは模様替え
どうやら僕は、住んでいる環境が変わっていかないとどうも落ち着かないらしい。20代の頃は、家賃やら仕事やらの関係で、2年に一度は、引っ越ししていたのを覚えている。40代になった今は、決まった職場に通うようになってしまったので、その必要がない。しかし、それでも時々、引っ越しの虫がうずいてしまう。その虫からの熱い引っ越しのラブコールにお答えして、部屋の模様替えなどして慰めるのである。
今朝も、すこし時間があったので、オフィスの模様替えに着手した。冬場には、陽光を求めて窓際に陣取っていたのであるが、6月を越えるとそれでは、日差しが暑すぎていけない。それで、デスクを部屋の内側へと移動させることにした。それによって、デスクとミーティングテーブルの間に、デスクの手元を隠すために並べてあった四つのカラーボックスには、窓際へ移ってもらうことにした。彼らには、これからサボテンなど鉢植え置き場にもなってもらうことにしよう。その置き場ができることで、ブラインドカーテンを下げて、日陰を作ることもできるようになる。
デスクを動かすことで、ひとつ工夫が必要になるのは、パソコンとプリンターとの距離である。僕のオフィスでは、プリンターを本棚に置いてあるので、パソコンの位置が遠くなるとプリンターケーブルの丈が足りなくなる。となると、プリンタを再配置したり、ケーブルの通るコースを換えたりすることになる。
カラーボックスが窓際へ動いたことにより、オフィスの入口から、僕のワークスペースへの見通しがよくなった。少し、風の通りも良くなったような気がする。また、目隠しの裏側のデスク上には、辞書や書面ラックが並んでいたのだが、本棚を整頓し、そちらへお引き取り頂いた。隠して、デスクの手元は、フラットな眺めになった。
それでも存在感を残したのは、大きなドラセナとトラノオである。彼らはオフィスの顔として常に君臨し、来客に印象を与え続けてくれている。彼らには、L字型のカーブの位置、パソコンのディスプレーの裏側に陣取ってもらっている。いつもディスプレー越しにこちらを眺めて、仕事をチェックしているのが、彼らなのである。もう10年以上の付き合いになる。ドラセナを買って来た時には、本の30センチほどの小枝を差したような鉢植えだった。トラノオは、職員さんが常駐している別のオフィスの片隅で、忘れられて息も絶え絶えだったのを引き取ってきて鉢に植え直してあげた。その彼らが、いまは立派に成長している。
目下の課題は、断捨離である。特に限りある本棚を占拠している本を勇気をもって手放すことを真剣に考えなければならない。「収納破産」を防ぐには、現存の収納の範囲で物を持つという約束を守ることである。いくらでもオフィスを拡張できる財力があれば、いけいけドンドンであるが、今のところは、そういう分けにもいかない。引き受け先を探すといっても簡単にはみつからない。さて、どうしたものか。売るわけにはいかない本は、サヨウナラするしか手がない。
模様替えのついでに、古紙回収に出す梱包段ボールなどを整理した。それで、ずいぶんと哀れだったオフィスの入口にはスペースができた。スチール壁に、マグネットで引っかけてある書類も、半減させた。よくよくみると意図もなく引っかけたままになってしまっている書類が少なくない。分類して取りまとめるとスーペースが、半分近く広がった。
たまの模様替えは、自分の持ち物を見直すよい機会になる。意識下の置いて管理するものを増やして、つねに持ち物の点数を最適化していくことが、効率的な仕事の空間を作ることにもなる。引っ越しが好きな僕は、いつか、大々的にオフィスをリセットする日を夢見ながら、また、ちょこちょこと模様替えを続けていくのだろう。
今朝も、すこし時間があったので、オフィスの模様替えに着手した。冬場には、陽光を求めて窓際に陣取っていたのであるが、6月を越えるとそれでは、日差しが暑すぎていけない。それで、デスクを部屋の内側へと移動させることにした。それによって、デスクとミーティングテーブルの間に、デスクの手元を隠すために並べてあった四つのカラーボックスには、窓際へ移ってもらうことにした。彼らには、これからサボテンなど鉢植え置き場にもなってもらうことにしよう。その置き場ができることで、ブラインドカーテンを下げて、日陰を作ることもできるようになる。
デスクを動かすことで、ひとつ工夫が必要になるのは、パソコンとプリンターとの距離である。僕のオフィスでは、プリンターを本棚に置いてあるので、パソコンの位置が遠くなるとプリンターケーブルの丈が足りなくなる。となると、プリンタを再配置したり、ケーブルの通るコースを換えたりすることになる。
カラーボックスが窓際へ動いたことにより、オフィスの入口から、僕のワークスペースへの見通しがよくなった。少し、風の通りも良くなったような気がする。また、目隠しの裏側のデスク上には、辞書や書面ラックが並んでいたのだが、本棚を整頓し、そちらへお引き取り頂いた。隠して、デスクの手元は、フラットな眺めになった。
それでも存在感を残したのは、大きなドラセナとトラノオである。彼らはオフィスの顔として常に君臨し、来客に印象を与え続けてくれている。彼らには、L字型のカーブの位置、パソコンのディスプレーの裏側に陣取ってもらっている。いつもディスプレー越しにこちらを眺めて、仕事をチェックしているのが、彼らなのである。もう10年以上の付き合いになる。ドラセナを買って来た時には、本の30センチほどの小枝を差したような鉢植えだった。トラノオは、職員さんが常駐している別のオフィスの片隅で、忘れられて息も絶え絶えだったのを引き取ってきて鉢に植え直してあげた。その彼らが、いまは立派に成長している。
目下の課題は、断捨離である。特に限りある本棚を占拠している本を勇気をもって手放すことを真剣に考えなければならない。「収納破産」を防ぐには、現存の収納の範囲で物を持つという約束を守ることである。いくらでもオフィスを拡張できる財力があれば、いけいけドンドンであるが、今のところは、そういう分けにもいかない。引き受け先を探すといっても簡単にはみつからない。さて、どうしたものか。売るわけにはいかない本は、サヨウナラするしか手がない。
模様替えのついでに、古紙回収に出す梱包段ボールなどを整理した。それで、ずいぶんと哀れだったオフィスの入口にはスペースができた。スチール壁に、マグネットで引っかけてある書類も、半減させた。よくよくみると意図もなく引っかけたままになってしまっている書類が少なくない。分類して取りまとめるとスーペースが、半分近く広がった。
たまの模様替えは、自分の持ち物を見直すよい機会になる。意識下の置いて管理するものを増やして、つねに持ち物の点数を最適化していくことが、効率的な仕事の空間を作ることにもなる。引っ越しが好きな僕は、いつか、大々的にオフィスをリセットする日を夢見ながら、また、ちょこちょこと模様替えを続けていくのだろう。
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