部屋の中に、小さな硝子の水槽があって、20匹くらいのメダカが住んでいる。メダカたちは、食べ物が水面に投下されるタイミングをよく分かっている。水槽の透明のフタを外すと、水藻の間から、メダカたちが次々に浮上してくる。それが可愛らしくて、ついついたくさん餌を摘まんやりたくなる。
その一方で、庭の鉢に住んでいる金魚2匹は、用心深い。そもそも鉢に人影が近づくと、水藻や石の影に身を潜めてしまう。食べ物を水面に浮かべてもしばらくは、食べにやってこない。人影が離れたことを見計らって、やっと浮上してくる。
危険を回避して、生存に適しているのは、きっと金魚の方である。メダカたちは、外的かもしれない人影へ無防備に身体を晒してしまっている。もちろん、僕がメダカを捕って食うことはないのだけど、万が一野良猫が襲うような事があれば、身を潜める金魚が生き残る。しかし、あまり愛想がないため、餌を満腹もらえていないのは、金魚の方なのかもしれない。
生きるために必要なのは、はたして、愛嬌の良さなのか、用心深さなのだろうか。
奈良公園でせんべいをせしめる鹿は図々しいやつに決まってる
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