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2014年8月7日木曜日

クマゼミが羽化した

昨日の夕方に、近所の緑道の桜の木立に、セミの幼虫がエッチラオッチラと
登る姿を見つけた。生まれてはじめて、動くセミの幼虫をみつけて、
いささか興奮気味に、それを虫かごに入れて、持ち帰った。
彼女(羽化してそうわかったのだ)は、かごの中を上へ上へと登って行こう
としていた。もうこれは、生まれ持った修正なんだね。
しばらくして、網の中央で、動きが止まってしまった。ああ、もう疲れたのだろう
と目を離し、夕飯を食べていた。

飯のおかわりをと席を立つ時に、カゴに眼をやると、すでに幼虫の背が割れて、
中からキレイな色のセミが、イナバウアー宜しく登場していた。
「わー」とカゴに駆け寄って、しばらく、その動きを観察していた。
腹を上にした状態で、足を伸ばし、まだ水分を含んでよれた羽を下げていた。
ゆっくりのようで、コトは一気に進む。
みるみるうちに、殻抜け出して、優雅に羽を伸ばした。
生命の神秘に触れた気がした。41年間生きて、初めてのセミの羽化の観察に、
ドキドキとさせられた。

昨晩、僕が寝る頃に、まだ白かった体は、今朝にはすっかり色づいて、
立派なクマゼミになって、軽やかに飛び立っていった。
セミは、地上で一週間ほどしか生活しないと聞く。ほとんどの生涯は、
土の中なのだ。セミの一生において重要な部分は、土の中にあり、
次の世代へと命をつなぐために、地上へ這い出し、無防備な羽化を経て、
短い夏を鳴いて過ごす。
彼女の羽化を目の当たりにしつつも、その土の中の暮らしに思いをはせた。

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