飛行機の気配を感じると反射的に空を見上げてしまう。
なにか気が高ぶり、機影を確認したくてたまらなくなって
しまうのである。
子供の頃、奈良の山村で育った僕にとって、飛行機は、
遙か上空を細い雲を引いていく羽虫のような存在だった。
音を聞くことはほとんどなく、飛行機雲だけが、
その存在を知らせるシグナルだったのである。
それが、毎日のように頭の上を掠めて飛んでいく。
もちろん、そういう状況を気楽に眺められる場所ばかりが
この世のすべてであるとは思わない。
ただ、僕にとっては、子供の頃からの憧れが、
毎日のように間近で眺められることが幸せなのである。
訓練機に混じって、ブルーインパルスが練習しているのを
見かけることがある。もともと宮城県の松島にベースメント
を構えるはずが、3.11以降は、ずっと福岡で活動している。
きっとパイロットや運営スタッフのご家族は、宮城にいるの
だろうに。きっと、不便な生活の中で、毎日活動して
いらっしゃるのではないか。
ブルーインパルスが、松島に戻るのは、当該地の復興が
成された時なのだろう。それを僕は願う。ただし、その時は
ここで毎日のようにブルーインパルスの機影を追うことが
できなくなるときでもあるのだけど。
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