柔道は7年くらい続けて、そのあと辞めてから35年くらい経つので、もう経験者だとは言えないと思う。それでも、やっていた時に身について、忘れないことがある。それは、間合いを取ることの大切さである。組み合う相手と呼吸を合わせつつ、一瞬のズレを生み出して懐に入り込む。最小限の力で、相手を制する所作である。ただ、制することは、柔道の大事な教えてはなく、それを形にするための自身の心身を自在に操ること、また、その困難さを会得することこそが本質なのだろうと思う。柔道は、武術であり、試合の勝ち負けを決するのだけど、その結果は、自身を知るための手段に過ぎないはずである。こんな気づきを得てはいるものの、日常生活の中で、実を結んでいるかといえば、そうでもない。話す相手との間合い、適切な発話の選択など、改善の余地はいくらでもある。まあ、そういう余地の存在に気づけるようになったのは、子どもの頃やっていた柔道なのだろうと感謝している。
ニューヨーク!2016
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