居住スペースに制限があることの利点は、その範囲で生活するためのものについて、よくよく考える機会を得られることです。ものがたくさんあるからといって、それに合わせて居住スペースを広げていってはキリがありません。家賃をいくらでも詰める人にとってはそれでよいのでしょうが、なかなかそう羽振りのよい人ばかりではないでしょう。
また、見方を変えれば、抱えているモノのために家賃を支払っているということにも気づきます。人ひとりが生活するためのスペースは、大して必要がないのに、自分が抱え込んだもの、まるで同居人のように家賃を支払わせることになるわけです。そして、その同居人は、たいして日常的に役に立ってくれるわけではありませんよね。しかし、一方で、私たちには損をしたくないという心理が働くので、一度、手に入れたものを手放したくないという思いが先立つようです。
もう、どれだけモノを抱えるのか、消費を増やすことが美徳という時代でもありませんよね。住む場所を広くするよりも、頭の中の世界を広くすることに気持ちを向けて行きたいものです。
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