森羅万象は、ただただそこに存在するものです。人がいる。虫がいる。微生物がいる。ウィルスがいる。それらを見上げれば月が輝いている。それは、物理現象であり、何かの意思が働いているものではありません。
ただ、森羅万象に意味を求めたい人の思いは理解できるし、共感もできます。人が生まれて生きていることに、もともと意味がないということは受け入れ難いものでしょう。それは、そこはかとない孤独とやるせなさを与えるからです。
とはいえ、人が生きることも一つの物理現象です。私たちは、気がついたら生まれていたのです。生を与えてくれた両親に感謝の念はあります。親の思いと共に多くの子は生まれ、育まれます。そこには生きる意味が生じます。生きる意味は見いだしていくものと言えます。
ただ、生きる意味は元々あるのだから、それは何かを見つけ出そうと言われても、それは困難なことです。私たちは物理現象なのですから。無い意味を見つけようというアプローチは、間違っていると思います。元々持っているはずのものを見つけようとして、いつまでもそれが叶わないとすれば、それこそ、そこはかとない孤独とやるせなさに囚われてしまいます。
むしろ、元々、生きる意味はないというゼロベースから出発すれば、生きる意味は、見つかるかもしれないし、見つからないかもしれない。ただ、それでもよいということになるでしょう。捉えどころのない自分に気を病んでしまうよりも、生を生きるという点では、よっぽど心持ちを楽にしてくれるように思います。
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