こんばんは。辻井洋行です。
今回、お礼をするなら早い方がいいと言う話をしたいと思います。
誰かから施しを受けた時には、当然、感謝の念を言葉にして相手に伝えます。ただし、目の前にいない相手からの施しに対しては、電話やメール手紙などで、気持ちを伝えることになるのですが、それが億劫で、のびのびになってしまうことがあります。その時間が長くなればなるほど、先延ばししてしまえば、その時間のぶんだけ、億劫な気持ちが、より大きくなってきてしまいます。それは借りたお金に対する利払いが、時間を追うごとにどんどんと大きくなってしまうようなものです。感謝の言葉はなるべく早く伝えることによって、より短く簡潔な言葉で、済ませてしまうことができます。
感謝の念は、何度かに分けて伝えると効果的であると思います。それは施しを受けた直後、そして次に会った時、さらには少し日数が開いた後に再び会った時です。 2度目の感謝の言葉は、それを受ける相手にとっては、とても丁寧な印象を得ることでしょう。さらに3度目の感謝の言葉を聞けば、そんなに喜んでくれたのであれば、是非また良くしたいという気持ちを相手に起こさせるものです。こういうことを策略的に行うのは、あまり褒められたことではありませんが、日常的な人間関係を円滑なものとして構築していくための知恵であると思います。
人間には、相手との関係を一定に保ちたいという心理があるようです。何か施しをうければ、 それによって 両者の間の関係が一時的に変化します。誰かが誰かに物をあげるというのは、リソースを分け与えるという行為なので、与えた側が上位に、受けた側が下位になります。そのような一時的な不安定さを解消するために、お礼を申し述べると言う行為が必要になると考えることもできるでしょう。ですから、 施しを受けた相手にお礼を言わないまま時間を過ごしてしまうことにより、両者の関係は一時的に不安定になっているのです。 そのような状況を私たちは感じ取るため、お礼を申し述べる時間を 先延ばしにすればそれだけ負担感を覚え、より申し述べることを億劫に感じてしまうのです。億劫に感じるから、より丁寧で長い文面を返さなければならないような気持ちにもなってしまいます。
そのような気持ちに陥ることを避けるためには、 施しに対するお礼をなるべく早く行い、できれば何度かに分けて申し述べることにより、相手との関係を適切なものに保っていけるようになるのです。 お礼の言葉を受けるのは相手にとっても嬉しいことです。善は急げと言いますが、お礼は急げとも言うことができるでしょう。
返礼品を送る時には、相手との関係を吟味する必要があるので、それについて話すのはまた別の機会に譲りましょう。