庭や道ばたに生えている草花たちには、そこに生えている都合があり、それに手心を加えて多少のやり替えても、そのうち元の状態に戻っていくことになります。その場所の気候・風土にそって、草花たちは息づいており、それについての人知はずいぶんと蓄えられて来ていますが、それを応用して、保全が着実になされているかといえば、そうでもないようです。
この写真の植物たちも、自分にとってより優位な日照や水、風に流れを得るために競り合っています。押し合いへし合い、相手を出し抜き、お日様を得るための熾烈な競争です。たとえ、負けても、脇へ脇へと茎を伸ばして行きます。感情がない分、浪花節も通用しません。ただただ、状況に応じて形を変えるのみです。そして、力尽きれば、葉を枯らすことになります。
この緑が美しいのは、最小のコストで最大のエネルギーを得るための工夫が形となって表れたもの。競合しつつ、お互いに共生し、微生物やウィルスも交換しながら、生態系を構築して来ています。工夫という意図はなくても、何万年の時を経て、最適なものたちの残党と入れるでしょう。私たち人類も500万年といわれる歴史の残党であるわけです。
ただし、その残党たちは、自らが改変した環境への不適応に直面していると考えらえれています。これまでの通りのあり方は、いつまでも通用するとは限りません。かといって、新しく考えだしたものが全て、人類を次の時代へ進めるとも限らないわけです。数限りない取り組みの中から、いくつかがそれに当たることを期待したいものです。
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