私たちは、友達の友達、知り合いの知り合いとのやり取りで、思わぬ幸運に出会うことがあります。身近なつながりの間では、情報が共有されてしまっており、新しい発見を得ることは難しいものです。しかし、少し距離のある人は、自分とは違う関係先とつながっています。
そのような世の中の関係を発見し、理論化したのが、スタンフォード大学の社会学者であるグラノベッターです。彼は、アンケート調査で、回答者の就職先の決まり方を調べ、知り合いの知り合いの持っていた情報を頼りに実現していたという結果を頼りにして、「弱いつながりの強さ」という仮説を立てました。
現在のソーシャルメディアの大流行は、そういう現象を多くの人が経験的に感じていることが背景にあるのかもしれなせん。ただ、そうした弱いつながりが活かされるのは、自身が何かを強く求め、自ら形にしようとして行動している時ではないでしょうか。
たんじゅんに、顔つなぎだけをして、知り合いの数をいたずらに増やしたとしても、その紐帯に乗るものはありません。青い鳥は、幸せを求めて長い旅路を経た末に見いだされたものです。セレンディップの王子たちもまた、別のものを求めて行動する中で、思わぬ幸運を手にしたといいます。
何か自分の幸運であるのかは分からなくても、機会を求めて、主体的に工夫を凝らしながら具体的に行動すれば、思わぬところへ結果が見いだされていく。そいうことをグラノベッターは、行間に説いているのではないでしょうか。
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