この歳になって、司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んでいます。読んでいますといっても、Kindleに読んでもらったり、文字を目で追ったりの組み合わせなのですが、飛び飛びでやっと第1巻を読み終えました。
文学の類いは、小中学校のあと、あまり読まなくなっていたのですが、ニューノーマルにかこつけて、これまでやらなかったことをやってみようかと思い立って、ダウンロードしました。
司馬遼太郎作品については、好き嫌いがあると聞いていましたが、なるほどそういうことかと思いました。時に、登場人物の人間味が、あまりにも生々しく描かれているので、これまでに色々な資料から読み手が想像していた人物像が崩れてしまう。そこに違和感を覚えるのでしょう。
ただ、司馬遼太郎は、「そんな細かいこと、誰も知らないだろう」ということまで、資料を調べ尽くし、綿密な調査研究を行ったといいます。その上で、「坂本竜馬とは、武市半平太とは、中岡慎太郎とは、岩崎彌太郎とは、こういう人であったとしか考えられない」という人物像をビビッとに読者へ提示してくるわけです。
それに乗るか反るかは、読者次第なのですが、微妙なところをくすぐってくる筆者に太刀打ちできず、ぼくは読み進めることになってしまいました。何か210年も前に生きていた人たちの匂いがプンプンしてくるのですよ。
そういうのが、いつも論説や理論書ばかり相手にしている自分の頭の中を撹拌してくれるようです。
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