こんにちは。辻井洋行です。
わたしが住み仕事している福岡県にも緊急事態宣言がなされました。未だに、身近な人の新型コロナ罹患の実例を聞かないので、わたしにとっては、テレビやネットの話題であり、実感を持つことができていません。
この 感染症では、無症状の人が感染を広げてしまうことが指摘されています。私たち人間には、顕在的なリスクには敏感になり、潜在的なリスクには鈍感になる傾向があります。
安全工学における危険認知の考え方に、「危険検出思想」と「安全検出思想」があります。前者は、「危険が確認されない限りは安全である」という考え方です。この考え方では、見えない危険は存在しないものと見なされ、危険な状態を放置してしまうことになります。後者は、「安全が確認されない限りは危険である」という考え方であり、危険を取り除かない限りは安全で無いと見なすことになります。
例えば、 運転免許を取るときには、「かもしれない運転」をするように推奨されます。これは人が飛び出してくるかもしれない、車が曲がってくるかもしれないと思いながら運転することで、常に危険回避をしようという行動を推奨しています。 これは安全検出思想によるものです。
これを援用すれば、自分自身がコロナに罹患しているかもしれない、 手で触れるものにウィルスが付着しているかもしれないと考えることで、 他人にうつしてしまう危険や自分が罹患してしまう危険を回避する行動を取れるようになります。
ただ、「かもしれない」行動には、想像力が必要です。 私たちの心理には、正常性バイアスがあり、自分だけは例外だと思うものです。ただ、今の時期を利用して、「かもしれない」行動を習慣にすることによって、 そういうバイアスを乗り越え、様々なリスクを回避する態度を身につけられるようになるでしょう。
0 件のコメント:
コメントを投稿