こんにちは。辻井洋行です。
大きなイベントや感動的な出来事を経験するとなんとなく名残惜しくて、その場に留まっていたいものです。一つの仕事をやり終えた後にも、その余韻を楽しむ時間を持ちたい。感動はできるだけ長く心に留めたいものです。
しかし、プロ野球の試合を見に行った時にフト気づいたことは、選手たちが、勝っても負けてもそそくさとグランドから去って行ってしまうということです。競った試合に勝ったのであれば、もうちょっとグランドでゆっくり過ごしても良さそうなものです。あのバッティングはチームを救ったよね、あのホームラン性のボールの捕球はすごかったよね、とか選手が球場でゆっくり語らっても良さそうなものです。
どうしてそうなのかと思い直すと、プロ野球の選手にとっては、毎回の試合が百何十試合のうちの一つであり、日常であるからです。日常のことであるために、一つ一つの物事の感動が薄くなってしまっているとみることもできますが、あれば選手にとってプロとしての仕事なのです。仕事としてゲームをしているのですから、その結果について、毎回感動し、それに浸っている暇はありません。むしろ、直ぐにロッカーに戻って、ピッチャーの配球データを分析したり、打者ごとの打球方向を見直すといったリフレクションに忙しいはずです。
プロの仕事は、観客を魅了することなので、プレーで観客が魅了され、余韻に浸ってくれるのであれば選手冥利に尽きることでしょう。だから、次の感動を生み出すために、ゲームが終わったらそそくさとロッカーへ戻り、次への準備に取り組むのです。
そういうことを考えるようになって、仕事が終わったらそそくさと引き上げて、次へ備えることって大事なのだと思うようになりました。プロのメリハリの美学。たまのお楽しみはいいものだけど。
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