こんにちは。辻井洋行です。
今回は、仕事にも旬があるということについて書いてみようと思います。
旬というのは、季節ごとの自然の恵みについていいます。特に、食べものについて、当てる言葉です。人もまた自然の恵みの一部であり、時と共に変化していきます。私たちは、自身が変わらないものと考える傾向があるようですが、日々変わって行っています。例えば、筋肉は1ヶ月で60%が、遅くても約200日で総入れ替えになるとのこと。期間の差はあれど、血液も骨も、どんどん入れ替わっていきます。
意識は、それらの時間を超えて残っているので、不変のように感じますが、意識を支える生理状況が変化しているのですから、当の意識も変化し続けていると考える方が自然でしょう。
読みたい本や心地よいと思う音楽、好きな景色、好みの食べ物もどんどんと変化します。仕事とすることもまた変化していきます。外的な要因もありますが、自身の興味関心の向きの変化に沿うことも少なくないでしょう。
絵描き、シンガーソングライター、文芸作家。彼らの作風は、変化を続けます。20代からキャリアをスタートした作家の作品は、長生きな作家ほど、年を経て作品の変化で受け手を楽しませてくれます。20代で制作できる作品、40代での作品、60代での作品、それらは同じ作家でありながら同じ作品ではありえません。作風に共通点が残りつつ、異なる作品として仕上がります。その作家には、それぞれの世代でしか残せなかった作品があるのです。
そう考えれば、今、この時に制作したいものがあるのであれば、その熱が冷めないうちに、やり遂げるべきです。いつか手を付ければよいと思っているうちに、自身がどんどんと別の存在に変化して行ってしまうからです。今この瞬間に、他でもない刹那に、集中して何かに取り組む必要があるのは、私たちに生理的な変化がすべからく生じるからです。
それゆえ、私たちの取り組む仕事には、旬があり、今を逃したら2度と取り組むことができなくなってしまいます。今現在の自身がどんどん置き去られていくと思えば全ての時間は貴重であり、より愛おしく思えてくるものでしょう。
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